メタロジェニクス株式会社

メタロアッセイカルシウム測定LS (OCPC)

カルシウム LS(OCPC)
  • メタロアッセイカルシウム測定LS (OCPC)は、生物試料(血清・血漿など)中のカルシウム(Ca2+)をマイクロプレートリーダー(96ウェル)で迅速に定量することができます。
  • 本アッセイ原理は免疫抗体法ではなく、キレート定量法であるため、検体の生物種に依存しません。
  • 血清、血漿を検体とする場合は前処理不要です。
  • キット同梱の標準試料とブランク試料の2点により校正するため、多点校正は不要です。
  • 毒劇物を含んでいないため、取扱、廃棄時の安全性に優れています。
  • ※ 本製品は研究用キットです。診断目的には使用しないでください。

名称

カルシウム 測定(OCPC)

製品コード

CA30M
CA31M

測定対象

Ca2+

対象サンプル

血清・血漿・尿などの生物試料

測定波長(極大波長)

560 〜 590 nm(570nm)

測定範囲

0.2 ~ 30 mg/dL

測定意義

カルシウムは体重の約1.5-2.9%を占めており、骨格、軟組織の形成に重要な元素です。

体内のカルシウムの90%はハイドロキシアパタイトとして骨に存在し、1%が細胞内、0.1%が血中に存在しています。生理的機能としては細胞中の浸透圧調整、血液凝固、筋委縮、神経刺激、酵素の活性化などに関与しています。血中のカルシウムは45%がアルブミン、グロブリンと結合しており、10%がリン酸塩、45%が遊離イオンです。

血清カルシウムが低下すると、副甲状腺ホルモンが分泌され、骨吸収、腎臓での再吸収、活性型ビタミンDの生成に伴う小腸からのカルシウムの吸収が促進され、血清中の濃度が上昇します。このような機構により血清中での濃度は厳密に調節されており、正常値が狭いレンジ内に推移しています。

低カルシウム血症としては、くる病、骨軟化症、テタニー、骨粗しょう症、動脈硬化を起こし、高カルシウム血症では抑うつ、意識障害、疲労感、知覚過敏、不整脈、高血圧などに関与することが知られています

測定原理

o-Cresolphthalein Complexone(OCPC)はカルシウムと反応すると深紅色の複合体を形成します。

この複合体の量はカルシウム濃度に比例するため、波長570nmの吸光度を測定することによりカルシウム濃度を求めることができます。OCPC法では検量線がシグモイド状になりやすい傾向がありますが、本キットでは、一点検量でも定量できるよう直線性が改善されました。

原理図CA02M_101

測定方法(サンプル前処理)

前処理プロトコル

◯本キットでダイレクトに定量可能な試料

e.g.)血清、血漿

キット中の変性剤がカルシウムをタンパクから解離させ、発色させます。特に前処理は必要ありません。

*EDTAを含む採血管は測定値に影響を与えるので使用しないでください

◯希釈が必要な試料

e.g.)尿

測定範囲を超える可能性があります。5倍を目安に希釈し、測定してください。

*蓄尿をサンプルとする場合は、塩酸添加による保存を行って下さい。測定の際はpHが2~3になるよう調整してください。

*随時尿は成分が変動いたしますので、希釈倍率が適しない場合があります。早朝尿も同様に、希釈倍率にご注意ください。

*検体を希釈した場合は、濃度計算時に希釈倍率のかけ忘れに注意してください。

◯酸抽出の必要な試料

e.g.)細胞ライセートや組織ホモジネート、その他液状試料

サンプルを低pHにすることでタンパクからカルシウムを解離させ、上清として回収し、アッセイ検体とします。ただし、測定できるのは以下の化学種に限ります。

  • 遊離カルシウム
  • タンパク結合(配位)カルシウム( Protein-Ca2+、 e.g アルブミン、メタロチオネイン)
  • その他、配位結合性カルシウム

*EDTAを含むLysis bufferは測定値に影響を与えるので使用しないでください。

*有機カルシウムなどは酸分解を行って下さい。

キット操作方法

  1. Step 1

    (1) DIW、標準液、アッセイ検体 5 μlを96 well plateにアプライ

  2. Step 2

    (2) RA 190 μlをwell添加

  3. Step 3

    (3) 室温で5分間インキュベート

  4. Step 4

    (4) RB 50 μlをwell添加

  5. Step 5

    (5) 室温で5分間インキュベート

  6. Step 6

    (6) 主波長570nm(副波長540 or 600 〜 700 nm)の吸光度を測定

  7. (7) 以下の計算式よりカルシウム濃度を求める

    CA31M計算式

実施例

本キットによる管理血清の測定

血清カルシウム測定例

図1. カルシウム濃度が既知である管理血清の測定結果

本キットによるブタ肝臓中カルシウム濃度の測定

ブタ肝臓

図2. ICP-OES法と本キットによるブタ肝臓中カルシウム濃度測定結果

その他の実施例はこちら

学術情報