メタロジェニクス株式会社

メタロアッセイ 銅 測定 LS






銅 LS
  • メタロアッセイ 銅 測定LSは、生物試料(血清・血漿・尿など)中の銅(Cu2+,Cu+)をマイクロプレートリーダー(96穴ウェル)で迅速に定量することができます。
  • 本アッセイ原理は免疫抗体法ではなく、キレート定量法であるため、検体の生物種に依存しません。
  • 血清、血漿を検体とする場合は前処理不要です。
  • キット同梱の標準試料とブランク試料の2点により校正するため、多点校正は不要です。
  • 毒劇物を含んでいないため、取扱、廃棄時の安全性に優れています。

製品仕様

名称

銅 測定

製品コード

CU03M
CU04M

測定対象

Cu2+、Cu+

対象サンプル

血清・血漿などの生物試料

測定波長(極大波長)

570 ~ 590 nm (580 nm)

測定範囲

3 ~ 400 µg/dL

測定意義

銅を含むタンパク質の主な役割は酸化還元機能です。現在知られている、銅を含む酵素の殆どが分子状酸素と直接反応します。プラズマ中の銅のおよそ95%はα-2-グロブリン、セルロプラスミン、フェロキシダーゼ活性を持つ酸化酵素と結合しています。銅の欠乏に関連する病気として、心臓疾患、骨粗しょう症、骨関節炎、Menkes症候群、ウイルソン病などがあります。また、生体内の抗酸化機能の低下についても報告されています。一方、過剰の銅は有毒となります。

測定原理

本法は3-5 DiBr-PAESAと銅とのキレート錯体形成による可視部の呈色を観測し銅濃度を求めます。

セルロプラスミン、及びタンパク質に結合した銅を、弱酸、変性剤により解離させ、銅-3-5 DiBr-PAESA錯体を形成させます。この銅キレート錯体を波長580nmで測定することにより銅濃度を求めることができます。

原理図CU03M_101

測定方法(サンプル前処理)

前処理プロトコル

本キットでダイレクトに定量可能な試料

例:血清、血漿

キット中の変性剤が銅をタンパクから解離させ、還元剤によって還元したのち発色させます。特に前処理は必要ありません。

※EDTAを含む採血管は測定値に影響を与えるので使用しないでください

酸抽出の必要な試料

例:細胞ライセートや組織ホモジネート、その他液状試料

サンプルを低pHにすることでタンパクから銅を解離させ、上清として回収し、アッセイ検体とします。ただし、測定できるのは以下の化学種に限ります。

  • 遊離銅
  • タンパク結合(配位)銅( Protein-Cu2+ 、 e.g.アルブミン、メタロチオネイン)
  • その他、配位結合性銅

※EDTAを含むLysis bufferは測定値に影響を与えるので使用しないでください。

※有機銅やヘム銅などは酸分解を行って下さい。

マイクロウエーブ法及び有機物混酸分解が必要な試料

例:EDTAなどの強固なキレート剤を含む試料、有機銅( -C-Cu-C- 単結合の場合)、環状配位子内包銅 (Cu-ポルフィリン等)を測定したい試料

酸抽出では解離してこない化学種を測定する場合や、強力な銅キレート剤などの妨害物質を含むサンプルの測定に必要です。

(各分解法に基づいて有機物を分解した後、pH2~3に調整し、定容したのちにアッセイ検体としてください。)

キット操作方法

  1. ステップ1

    (1) DIW、標準液、アッセイ検体 12 µlを96 well plateにアプライ

  2. ステップ2

    (2) 発色液 240 µlをwell添加

  3. ステップ3

    (3) 室温で10分間インキュベート

  4. ステップ4

    (4) 主波長580 nmの吸光度を測定

  5. (5) 以下の計算式より銅濃度を求める

    CU03M計算式

製品仕様

    • 使用目的 :
    • 銅(Cu2+,Cu+)の測定
    • 測定試料 :
    • 血清,血漿,尿,唾液,細胞ライセート,組織抽出液,植物抽出液,毛髪試料抽出液,食品抽出液,飲料水,環境水,鉱水など
    • 対応している検出機器:
    • マイクロプレートリーダー、紫外可視分光光度計、比色計
      ※キットに96ウェルプレートやキュベットなどは含まれておりません
    • 測定波長(主波長) :
    • 580 nm
    • 感度のある波長域 :
    • 570 ~ 590 nm
    • アッセイ法 :
    • DiBr-PAESA法
    • 特異性 :
    • 生物種を問いません
    • 反応条件 :
    • 室温(25°C〜37°C)10分間
    • 保存温度 :
    • 2 〜 8°C
    • 有効期限 :
    • 製造後12ヶ月
    • 共存物質の影響 :
    • ビリルビン40 mg/dL
      乳び500FTU
      ヘモグロビン 0.1 g/dL
      ただし、EDTAは影響を与えますので使用しないでください。

実施例

本キットによる管理血清の測定

血清銅測定例

図1. 銅濃度が既知である管理血清の測定結果

本キットによるブタ肝臓中銅濃度の測定

ブタ肝臓測定例

図2. ICP-OES法と本キットによるブタ肝臓中銅濃度測定結果

その他の実施例はこちら

学術情報

本キット使用文献

弊社発表文献

本キット参考文献(論文記載用)

  • Abe, A., Yamashita, S., Noma, A., Clin. Chem., 552-554 (1989).
  • Makino T., Kiyonega. Clin. Chem. Acta, 171,19 (1988)