測定意義

　糖質は、 生体のエネルギー源及びその貯蔵物として、あるいはヌクレオチド、核酸、糖蛋白、糖脂質などの構成成分として生体の構成や機能に重要な役割を果たしています。生体内の種々の糖質のうち、健常人血中に最も多く存在し重要な働きをているは、ブドウ糖 (グルコース )です。

グルコースは、生体のエネルギー源として最も重要な物質であり、血中濃度は腸管から糖の吸収、肝からの糖放出(糖新生とグリコーゲンの分解)、末梢組織の糖利用、腎からの排泄などの諸因子によって左右され、その調節にはインスリンのほか各種のホルモンや自律神経が密接に関係しています。血糖低下にはインスリンが、血糖上昇にはエピネフリン、グルカゴン、成長ホルモン、副腎皮質ホルモン、ACTH、甲状腺ホルモンなどが関係し、これらの拮抗及び協調作用によって血糖値が微妙に調節されています。

測定原理

本法はGOD-POD法を用いたグルコース定量キットです。
GOD（グルコースオキシダーゼ）はβ-D-グルコースに作用し、D-グルコン酸と過酸化水素を生成します。この過酸化水素はPOD（ペルオキシダーゼ）の存在下で、4-AA（アミノアンチピリン）とフェノールを酸化縮合させて、赤色キノン色素を生成します。

この色素を546 nmの波長で測定することで、グルコースの濃度を求めます。

測定方法(サンプル前処理)

• ◯本キットでダイレクトに定量可能な試料

  e.g.)血清、血漿・尿

  本キットでは、血清・血漿を直接サンプルとして測定に供することが可能です。

  ＊抗凝固剤はEDTA、ヘパリンを使用してください。

キット操作方法

1. (1) 96穴プレートに、精製水（又は生理食塩水）、グルコース標準液、測定試料を2 μL/ウェル分注する。
2. (2) R-R発色試液を200 μL/ウェル分注し、十分に混合する。
3. (3) 37ºCで10 分間反応させる（又は25ºCの場合は20 分間）。
4. (4) 主波長546 nm（副波長700 nm）の吸光度を測定する。
5. (5) 以下の式よりグルコース濃度（mg/dL）を求める。
   

製品仕様

• • 使用目的 :
  • glucose の測定
• • 測定試料 :
  • 血清，血漿，尿
• • 対応している検出機器:
  • マイクロプレートリーダー、紫外可視分光光度計、比色計
    ※キットに96ウェルプレートやキュベットなどは含まれておりません
• • 測定波長(主波長) :
  • 546 nm
• • 感度のある波長域 :
  • 492 ～ 550 nm
• • アッセイ法 :
  • GOD-POD 法
• • 特異性 :
  • 生物種を問いません
• • 反応条件 :
  • 10 分間（37ºC）又は 20分間（25ºC）
• • 保存温度 :
  • 2-8ºC
• • 有効期限 :
  • 製造後12ヶ月
• • 共存物質の影響 :
  • ビリルビンは55 mg/dLまで、溶血はヘモグロビン濃度で450 mg/dLまで、トリグリセリド は2000 mg/dLまで影響ありません。