メタロアッセイ マグネシウム 測定 LS

マグネシウム LS

  • メタロアッセイマグネシウム測定LSは、生物試料(血清・血漿・尿など)中のマグネシウム(Mg2+)をマイクロプレートリーダー(96ウェル)で迅速に定量することができます。

    → 生化学自動分析装置用の試薬はこちら

  • 本アッセイ原理は免疫抗体法ではなく、キレート定量法であるため、検体の生物種に依存しません。
  • 血清、血漿、尿を検体とする場合は前処理不要です。
  • キット同梱の標準試料とブランク試料の2点により校正するため、多点校正は不要です。
  • 毒劇物を含んでいないため、取扱、廃棄時の安全性に優れています。
  • ※ 本製品は研究用キットです。診断目的には使用しないでください。

  • 名称
  • マグネシウム 測定
  • 製品コード
  • MG01M
  • 測定対象
  • Mg2+
  • 対象サンプル
  • 血清・血漿・尿などの生物試料
  • 測定波長
    (極大波長)
  • 660nm
  • 測定範囲
  • 0.2 ~ 5.0 mg/dL
  • マニュアル
  • マニュアル
  • MSDS
  • MSDS
  • 測定回数
    (1キット)
  • 200回
  • 価格/円(税別)
  • 36,000

測定意義

マグネシウムは細胞内陽イオンの中でもカリウムの次に多く含まれ、DNA、RNA、ATPに関連するポリリン酸プロセスや葉緑素などのコファクターとして多くの代謝反応に必要不可欠な元素です。マグネシウム化合物は緩下剤、中和剤として、また、異常な神経刺激、血管子癇の安定性を調節する役割を果たしています。

マグネシウム濃度はMalabsortion症候群、利尿剤、アミノグリコシド治療剤、副甲状腺機能亢進症、糖尿病のアシドーシスにおいて低値を示します。尿毒症、慢性腎不全、糸球体腎炎、アディソン病、抗酸性治療では高値を示します。

測定原理

本法はXyridyl Blue-I(XB-I)とマグネシウムとのキレート錯体形成による可視部の発色を観測し、マグネシウム濃度を求めます。

Xyridyl Blue-Iはアルカリ性下でマグネシウムと錯形成し、紫色を経て赤色に発色します。このMg-XB-I錯体は520nmの吸光度が増大しますが、一方、XB-I由来の600~680 nmの吸光度は減少します。 この吸光度変化を観測することによりマグネシウム濃度を求めることができます。

原理図MG01M_101

測定方法(サンプル前処理)

前処理プロトコル



  • ◯本キットでダイレクトに定量可能な試料

    e.g.)血清、血漿

    キット中の変性剤がマグネシウムをタンパクから解離させ、発色させます。特に前処理は必要ありません。

    *EDTAを含む採血管は測定値に影響を与えるので使用しないでください

  • ◯希釈が必要な試料

    e.g.)尿

    測定範囲を超える可能性があります。2倍を目安に希釈し、測定してください。

    *蓄尿をサンプルとする場合は、塩酸添加による保存を行って下さい。測定の際はpHが2~3になるよう調整してください。

    *随時尿は成分が変動いたしますので、希釈倍率が適しない場合があります。 早朝尿も同様に、希釈倍率にご注意ください。

    *検体を希釈した場合は、濃度計算時に希釈倍率のかけ忘れに注意してください。

  • ◯酸抽出の必要な試料

    e.g.)細胞ライセートや組織ホモジネート、その他液状試料

    サンプルを低pHにすることでタンパクから鉄を解離させ、上清として回収し、アッセイ検体とします。ただし、測定できるのは以下の化学種に限ります。

    • 遊離マグネシウム
    • タンパク結合(配位)マグネシウム( Protein-Mg2+、 e.g アルブミン)
    • その他、配位結合性マグネシウム

    *EDTAを含むLysis bufferは測定値に影響を与えるので使用しないでください。

    *有機マグネシウムなどは酸分解を行って下さい。

  • ◯マイクロウエーブ法及び有機物混酸分解が必要な試料

    e.g.)EDTAなどの強固なキレート剤を含む試料、有機マグネシウム( -C-Mg-C- 単結合している場合)、環状配位子内包マグネシウムを含む試料

    酸抽出では解離してこない化学種を測定する場合や、強力なマグネシウムキレート剤などの妨害物質を含むサンプルの測定に必要です。

    (各分解法に基づいて有機物を分解した後、pH2~3に調整し、定容したのちにアッセイ検体としてください。)

キット操作方法

  1. (1) DIW、標準液、アッセイ検体 3 μlを96 well plateにアプライ
  2. (2) RA 250 μlをwell添加
  3. (3) 室温で5分間インキュベート
  4. (4) 主波長660nmの吸光度を測定
  5. (5) 以下の計算式よりマグネシウム濃度を求める
    MG01M計算式

製品仕様

    • 使用目的 :
    • マグネシウム(Mg2+)の測定
    • 測定試料 :
    • 血清,血漿,尿,唾液,細胞ライセート,組織抽出液,植物抽出液,毛髪試料抽出液,食品抽出液,飲料水,環境水,鉱水など
    • 測定波長(主波長/副波長) :
    • 660/700 nm
    • 感度のある波長域 :
    • 520 nm(濃度依存的に増大:夾雑物の影響を受けやすい)
      660 nm(濃度依存的に減少:夾雑物の影響を受けにくい)
    • 測定範囲 :
    • 0.2 ~ 5.0 mg/dL
    • アッセイ法 :
    • XB-I法
    • 特異性 :
    • 生物種を問いません
    • 反応条件 :
    • 室温(25ºC〜37ºC)5分間
    • 保存温度 :
    • 2-8℃
    • 対応している検出機器:
    • マイクロプレートリーダー、紫外可視分光光度計、比色計
      ※キットに96ウェルプレートやキュベットなどは含まれておりません。 → 生化学自動分析装置用の試薬はこちら

学術情報

本キット使用文献

本キット参考文献(論文記載用)

  • Osman, Mohamed A., et al. “Reduction in oral penicillamine absorption by food, antacid, and ferrous sulfate.” Clinical Pharmacology & Therapeutics 33.4: 465-470, 1983.
  • 渡辺寛人、田中裕晃、キシリジルブルーⅠと非イオン性界面活性剤を用いるマグネシウムの二波長吸光光度定量分析化学, 26(9), 635-639, 1977-09-05