メタロアッセイ オート 尿中銅
- メタロアッセイ オート 尿中銅 は、血清・血漿中の銅(Cu2+, Cu+)を生化学自動分析装置で迅速に測定することができます。
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- 本アッセイ原理は免疫抗体法ではなく、キレート定量法であるため、検体の生物種に依存しません。
- 前処理不要です。
- スポット尿・蓄尿のどちらにも対応が可能です。また、酸性蓄尿でもご使用いただけますので、お客様のニーズによって幅広くお使いいただけます。(酸性蓄尿の場合、尿1.5Lあたり6M HCl 20mLを目安に添加して下さい)。
- キット同梱の標準試料とブランク試料の2点により校正するため、多点校正は不要です。
- 毒劇物を含んでいないため、取扱、廃棄時の安全性に優れています。
- ※ 本製品は研究用キットです。診断目的には使用しないで下さい。
- 名称
- オート尿中銅
- 製品コード
- ACU11
- 測定対象
- Cu2+
Cu+
- 対象サンプル
- 尿
- 測定波長
(主波長/副波長) - 570/750 nm
- 測定範囲
- 1 ~100 μg/dL
- 測定回数
(1キット) - 200回
- 価格/円(税別)
- 138,000
測定意義
銅は金属運搬タンパク質であるセルロプラスミンや、活性酸素の除去酵素であるSODの構成元素として生体内で欠かすことのできない必須微量元素です。経口摂取された銅は小腸で吸収され、血清中ではそのほとんどがセルロプラスミン結合型となっています。
銅過剰症疾患の代表は、染色体劣性遺伝により銅輸送タンパク(ATPase)が欠損することで発症するウイルソン病が知られています。ウィルソン病は肝細胞内の銅が過剰に蓄積され、血中非セルロプラスミン銅が増加し、錐体外路症状(知能障害)、腎障害、二次性Fanconi症候群、Kayser-Fleisher角膜輪、セルロプラスミン合成阻害による血清銅の低下を起こし、一方で肝細胞壊死による劇症肝炎、肝不全、溶血発作、肝炎を経て肝硬変へ至ります。その発症は肝から胆汁中への銅排泄障害が主因であり,肝,大脳基底部,角膜,腎などに過剰な銅沈着を生じ,上述以外にも全身諸臓器障害を呈することが明らかになっています。
銅キレート薬を投与後に尿中銅が高値であった場合は、ウイルソン病が疑われます。
測定原理
本法は 3-5 DiBr-PAESA と銅とのキレート錯体形成による可視部の発色を観測し銅を求めるものです。
この銅キレート錯体を波長 570nmで測定することにより銅濃度を求めることができます。
製品仕様
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- 使用目的 :
- 尿中の銅(Cu2+, Cu+)の測定
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- 測定試料 :
- 尿
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- 対応している検出機器 :
- 生化学自動分析装置
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- 測定波長(主波長/副波長):
- 570/750 nm
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- アッセイ法 :
- 3,5-DiBr-PAESA法
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- 特異性 :
- 生物種を問いません
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- 反応条件 :
- 37ºC 10分間
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- 保存温度 :
- 2-8ºC
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- 有効期限 :
- 製造後12ヶ月
性能
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- 感度 :
- (1)精製水を試料として操作した場合の吸光度は0.3以下です。
(2)標準試料を試料として測定するとき、銅50μg/dLに対する吸光度は0.05〜0.2の範囲です。
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- 正確性 :
- 既知濃度の尿標準物質を測定するとき、表示値の±20 %以内です。
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- 同時再現性 :
- 同一検体を5回同時に測定するとき、吸光度のC.V.は10%以下です。
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- 測定範囲 :
- 測定範囲は1 ~100 μg/dLです。これを超える検体は、精製水で希釈した後測定 してください。
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- *本仕様はあくまで参考値であり、測定に供する装置の形式、状態、精度管理物質により、記載事項と異なる場合があります。
測定方法
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【日立ハイテク H-7180形における測定パラメーターの例】
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直線性
図1. 段階希釈した標準試料の測定結果
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本キットによる尿中銅濃度の測定
図2. ICP法と本キットによる尿中銅濃度測定結果