メタロアッセイ 低濃度亜鉛測定 LS
- メタロアッセイ低濃度亜鉛測定LSは、生物試料(唾液・細胞抽出液など)中の亜鉛(Zn2+)をマイクロプレートリーダー(96ウェル)で迅速に定量することができます。
- 本製品は免疫抗体法ではなくキレート定量法であるため、検体の生物種に依存しません。
- キット同梱の標準試料とブランク試料の2点により校正するため、多点校正は不要です。
- 毒劇物を含んでいないため、取扱、廃棄時の安全性に優れています。
- ※ 本製品は研究用キットです。診断目的には使用しないでください。
- 名称
- 低濃度亜鉛測定
- 製品コード
- ZN10M
ZN11M
- 測定対象
- 亜鉛(Zn2+)
- 対象サンプル
- 唾液・細胞抽出液などの生物試料
- 測定波長
(極大波長) - 550~580 nm (560 nm)
- 測定範囲
- 1 ~ 60 μg/dL
- 測定回数
(1キット) - 100回
200回
- 価格/円(税別)
- 49,800
69,800
測定意義
亜鉛は200種類を超える金属酵素を構成しており核酸、タンパク質の合成に関わる元素です。
特に細胞の複製には不可欠であり哺乳類においては成長期の急性的な亜鉛欠乏により、皮膚や毛髪の障害、発育遅延などが報告されています。従って、亜鉛の適切な供給は身体の健全な発達に重要です。医学、栄養学的研究において、近年、一層注目されている微量元素です。
測定原理
本法は5-Br-PAPSと亜鉛とのキレート錯体形成による可視部の呈色を観測し亜鉛濃度を定量するものです。タンパク質や低分子代謝物に配位している亜鉛を試薬中の変性剤により解離させ、5Br-PAPSと配位結合させることで亜鉛キレート錯体を形成させます。この亜鉛キレート錯体は波長560nm付近に吸収極大を有しており、この吸光度を測定することで亜鉛濃度を求めることができます。
測定方法(サンプル前処理)
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◯酸抽出の必要な試料
e.g.)細胞ライセートや組織ホモジネート、その他液状試料
サンプルを低pHにすることでタンパクから亜鉛を解離させ、上清をアッセイ検体とします。
ただし、測定できるのは以下の化学種に限ります。
- 遊離亜鉛
- タンパク結合(配位)亜鉛( Protein-Zn2+ 、 e.g.アルブミン、メタロチオネイン)
- その他、配位結合性亜鉛
*EDTAを含むLysis bufferは測定値に影響を与えるので使用しないでください。
*有機亜鉛やヘム亜鉛などは酸分解を行って下さい。
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◯マイクロウエーブ法及び有機物混酸分解が必要な試料
e.g.)EDTAなどの強固なキレート剤、有機亜鉛( -C-Zn-C- 単結合の場合)、環状配位子内包亜鉛 (Zn-ポルフィリン等)を含む試料
酸抽出では解離しない化学種を測定する場合や強力な亜鉛キレート剤などの妨害物質を含む試料の測定には必要です。
*各分解法で有機物を分解後、pH2 ~ 3に調整し、定容した試料をアッセイ検体としてください。
キット操作方法
- (1) DIW、標準液、アッセイ検体 40 μlを96 well plateにアプライ
- (2) RA 200 μlをwell添加
- (3) 室温で10分間インキュベート
- (4) 主波長560nm(副波長700 nm)の吸光度を測定
- (5) 以下の計算式より鉄濃度を求める
製品仕様
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- 使用目的 :
- 亜鉛(Zn2+)
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- 測定試料 :
- 唾液,細胞抽出液など。
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- 測定波長(極大波長) :
- 550 ~ 580 nm (560 nm)
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- サンプル量 :
- 40 μL
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- 測定範囲 :
- 1 ~ 60 μg/dL/li>
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- 感度 :
- Zn 50 μg/dLの標準試料を測定したとき、ΔOD = 0.1 〜 0.3
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- 同時再現性 :
- C.V. < 5 %
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- 正確性 :
- 既知濃度の血清標準物質における表示値との差は15 %以内
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- 共存物質の影響 :
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アルカリ土類金属
1000倍量(モル濃度)のときの測定値への影響は5%以内です。
遷移金属
10倍量(モル濃度)のときの測定値への影響は5%以内です。
ただし、EDTAは影響を与えますので使用しないでください。
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- 特異性 :
- 生物種を問いません。
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- 反応条件 :
- 室温 (25 〜 37 ℃) 10分間
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- 保存温度 :
- 2 〜 8 ℃
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- 有効期限 :
- 製造後12ヶ月
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- 法規制 (毒物及び劇物取締法) :
- 該当なし
学術情報
本キット使用文献
弊社発表文献
- 岩渕拓也:技術情報協会(編) 微量金属分析とその前処理技術,p192-200(2015)
- 岩渕拓也、鈴木裕子:技術情報協会(編) 最先端バイオマーカーを用いた診断薬/診断装置開発と薬事対応(2015)
- その他の文献リストはこちら
本キット参考文献(論文記載用)
- Makino, T., Saito,M., Horiguchi, D. and Kina, K. :A highly sensitive colorimetric determination of serum zinc using water-soluble pyridylazo dye. Clin. Chim. Acta, 120, 127-135(1982)