マイクロアッセイ UIBC(不飽和鉄結合能)
- マイクロアッセイ UIBC(不飽和鉄結合能)は、血清・血漿のUIBC(不飽和鉄結合能)をマイクロプレートリーダー(96穴ウェル)で迅速に定量することができます。
- 本アッセイ原理は免疫抗体法ではなく、キレート定量法であるため、検体の生物種に依存しません。
- 血清、血漿、尿を検体とする場合は前処理不要です。
- キット同梱の標準試料とブランク試料の2点により校正するため、多点校正は不要です。
- 毒劇物を含んでいないため、取扱、廃棄時の安全性に優れています。
-
※ 弊社製品鉄キットとの併用で、TIBC(総鉄結合能)の測定に応用可能です。
- ※ 本製品は研究用キットです。診断目的には使用しないでください。
- 名称
- UIBC 測定LS
(不飽和鉄結合能)
- 製品コード
- UIB02A
- 測定対象
- UIBC(不飽和鉄結合能)
- 対象サンプル
- 血清・血漿
- 測定波長
(主波長/副波長) - 546/600 nm
- 測定範囲
- 10 ~800 μg/dL
- 測定回数
(1キット) - 200回
- 価格/円(税別)
- 39,800
2016.11.4「商品切替のお知らせ(#UIB01A→#UIB02A)」
測定意義
血清中の鉄は、すべて鉄輸送タンパクであるトランスフェリンに結合しています。トランスフェリンの約三分の一は鉄と結合し、残りは鉄と結合していない遊離トランスフェリンとして存在しています。血清中のすべてのトランスフェリンを鉄結合能力として表したものが総鉄結合能(TIBC)、同様に鉄と結合していないトランスフェリンを表したものが不飽和鉄結合能(UIBC)です。TIBCとUIBCの関係は、“TIBC=UIBC+血清鉄”です。TIBCは鉄代謝異常、血液疾患、肝疾患、腫瘍、炎症などで変動します。
UIBCは、鉄が欠乏した状態で高値を示し、感染症、炎症、悪性腫瘍、ネフローゼ症候群、低タンパク症状では低値を示すことが知られています。
測定原理
本法はバソフェナントロリンと鉄とのキレート錯体形成による可視部の発色を観測し不飽和鉄結合能(UIBC)を求めます。
試料に既知過剰量の鉄を含有する緩衝液を加えると、試料中の不飽和トランスフェリンが緩衝液中の鉄と結合し、飽和トランスフェリンとなります。
次に発色試液(バソフェナントロリン・還元剤)を加えると、トランスフェリンと結合しなかった残余鉄が赤色に呈色されます。
このときの546nmを主波長、600nmを副波長として吸光度を観測し、既知過剰量の鉄から残余鉄量を差し引くことにより、UIBCを求めることができます。
測定方法(サンプル前処理)
-
◯本キットでダイレクトに定量可能な試料
e.g.)血清、血漿
本キットでは、血清・血漿を直接サンプルとして測定に供することが可能です。
*EDTAを含む採血管は測定値に影響を与えるので使用しないでください
キット操作方法
- (1) DIW、標準液、アッセイ検体 20 μlを96 well plateにアプライ
- (2) R-A 200 μlをwell添加
- (3) 室温で5分間インキュベート
- (4) 主波長546nm(副波長600nm)の吸光度を測定(OD1)
- (5) R-R 30 μlをwell添加
- (6) 室温で5分間インキュベート
- (7) 主波長546nm(副波長600nm)の吸光度を測定(OD2)
- (7) 以下の計算式より鉄濃度を求める
製品仕様
-
- 使用目的 :
- UIBC(不飽和鉄結合能)の測定
-
- 測定試料 :
- 血清,血漿
-
- 対応している検出機器:
- マイクロプレートリーダー、紫外可視分光光度計、比色計
※キットに96ウェルプレートやキュベットなどは含まれておりません
-
- 測定波長(主波長) :
- 546 nm
-
- 感度のある波長域 :
- 540 ~ 550 nm
-
- アッセイ法 :
- バソフェナントロリン法
-
- 特異性 :
- 生物種を問いません
-
- 反応条件 :
- 室温(25ºC〜37ºC)10分間
-
- 保存温度 :
- 2-8ºC
-
- 有効期限 :
- 製造後12ヶ月
-
- 共存物質の影響 :
- 抱合型ビリルビン・非抱合型ビリルビン、乳び、アスコルビン酸は測定値にほとんど影響を与えません
学術情報
本キット使用文献
- Yoshinaga M et al.
Regnase-1 Maintains Iron Homeostasis via the Degradation of Transferrin Receptor 1 and Prolyl-Hydroxylase-Domain-Containing Protein 3 mRNAs.
Cell Rep. 2017 May. PubMed PMID: 28538180. - その他の論文リストはこちら
本キット参考文献(論文記載用)
- Ramsay,W.N.M. The determination of total iron-binding capacity of serum :Clin.Chim.Acta,2.221-226(1957)